「車検を受けているから大丈夫」。
そう思っている方は多いのではないでしょうか。しかし実は、車検と点検は目的も内容も大きく異なり、それぞれが担う役割は別物です。
車検は法律で義務付けられた検査で、公道を走るための最低限の安全基準を確認します。一方、点検は車の性能や安全性を長く維持するための予防整備で、故障や事故を未然に防ぐために行うものです。
この違いを理解せず「車検だけ」で済ませてしまうと、整備不足や予期せぬトラブル、さらには不要な修理費用の発生につながります。
本記事では、車検と点検の違いを目的・内容・費用・頻度の視点から詳しく解説し、あなたのカーライフを安全かつ経済的に保つための判断軸をお伝えします。

目次
- 車検とは?その目的と法的性格
- 点検とは?その目的と役割
- 車検と点検の主な違い【比較表】
- 車検だけでは不十分な理由
- 点検を怠ると起きるトラブル事例
- 費用・頻度の違い
- 車検と点検を正しく組み合わせるためのポイント
- 記録と判断軸を持つことの重要性
- まとめ:車検と点検の違いを理解して安全と節約を両立
1. 車検とは?その目的と法的性格
車検(自動車検査)とは、国が定めた保安基準に適合しているかどうかを確認するための検査です。
法律(道路運送車両法)で義務付けられており、合格しないと公道を走ることはできません。
主な特徴
- 目的:安全基準適合の確認
- 実施間隔:新車登録から3年目、その後2年ごと
- 検査項目例:ブレーキ性能、排ガス、ライト光軸、タイヤ溝深さ、車体寸法など
- 実施者:国の検査場、指定整備工場、ディーラーなど
車検は「今この瞬間、公道を走れるか」の判定であり、次の車検まで安全が保証されるわけではありません。
2. 点検とは?その目的と役割
点検(定期点検整備)とは、車の性能や安全性を長期的に維持するための予防的な整備です。
こちらも法律で義務付けられていますが、未実施に対する罰則は緩く、実施率は高くありません。
主な特徴
- 目的:故障や劣化を未然に防ぎ、性能を保つ
- 実施間隔(自家用車):12か月ごと(12か月点検)、必要に応じて6か月点検
- 点検項目例:ブレーキ摩耗、オイル漏れ、冷却水量、タイヤ摩耗、ベルト張り具合、バッテリー状態など
- 実施者:整備工場、ディーラー、自分(DIY)でも可
3. 車検と点検の主な違い【比較表】
項目 | 車検 | 点検 |
---|---|---|
法的性格 | 義務(未実施=公道走行不可) | 義務だが未実施でも罰則は少ない |
目的 | 安全基準の適合確認 | 性能維持・故障予防 |
内容 | 最低限の安全項目 | 車全体の詳細な状態確認 |
実施間隔 | 新車3年後、その後2年ごと | 12か月ごと(推奨6か月ごと) |
費用相場 | 5〜15万円 | 3,000〜15,000円程度 |
実施者 | 国、指定整備工場、ディーラー | 整備工場、ディーラー、DIY可 |
4. 車検だけでは不十分な理由
車検は現時点での適合性チェックであり、消耗品の劣化や小さな不具合まではカバーしません。
たとえば、以下のような部品は車検直後でも劣化が進行します。
- タイヤ
- バッテリー
- ブレーキパッド
- エンジンオイル
これらを放置すると、突然の故障や事故につながる危険があります。
5. 点検を怠ると起きるトラブル事例
点検をしないまま使用を続けると、以下のようなトラブルが発生しやすくなります。
- タイヤバーストによる事故
- ブレーキ効き不良
- エンジン焼き付き
- 冷却水漏れによるオーバーヒート
- ベルト切れによる走行不能
これらの多くは、定期点検で発見・予防できるものです。
6. 費用・頻度の違い
車検
- 費用:軽自動車5〜8万円、普通車8〜15万円、輸入車12〜20万円
- 頻度:新車3年後、その後2年ごと
点検
- 費用:6か月点検3,000〜8,000円、12か月点検8,000〜15,000円
- 頻度:12か月ごと(推奨6か月ごと)
7. 車検と点検を正しく組み合わせるためのポイント
- 車検は法律で定められたタイミングで必ず実施
- 点検は最低でも年1回、使用環境によっては半年ごとに実施
- 交換部品は寿命と使用状況に合わせて柔軟に判断
8. 記録と判断軸を持つことの重要性
車検・点検の履歴を残すことで、次回以降の整備計画が立てやすくなります。
過去の費用や作業内容を比較できれば、過剰整備や不要な出費を避けられます。
ここで役立つのが**オルクラ ログブック(整備記録サービス)とオルクラ アンサーバック(オンライン相談機能)**です。
- オルクラ ログブック:写真を送るだけで車検・点検履歴を自動記録
- オルクラ アンサーバック:見積もりや整備内容の妥当性をプロに相談可能
9. まとめ:車検と点検の違いを理解して安全と節約を両立
- 車検=通行許可のための最低基準確認
- 点検=安全性と性能維持のための予防整備
- 両方を正しく実施することで、安全性と経済性が高まる
- 履歴管理とプロ相談を活用することで、さらに無駄を減らせる
車検と点検の違いを正しく理解し、あなたのカーライフをより安心で経済的なものにしてください。